「蛍の光」は、多くの日本人にとって馴染み深い曲であり、その歌詞は昭和時代の卒業シーズン、そして最近では店の閉店時によく耳にするものになりました。
しかし、その歌詞の意味や背後にある歴史的背景は、一見するよりも深遠で、時代と共に変遷してきました。
この記事では、「蛍の光」の歌詞の意味とその作られた経緯、そしてその使われ方の変化について詳しく説明します。
その歌詞が描く風景や感情、そしてその背後にある日本の歴史と文化を通じて、「蛍の光」が持つ深い意味を探ります。
- 日本の伝統や文化に興味がある人
- 音楽や歌詞の意味に関心がある人
- 教育関係者や学生
- 卒業シーズンや特別な式典に関わる人
- 「蛍の光」の歌詞が描く学生生活の様子と別れの情景
- 「蛍の光」の歌詞が作られた歴史的背景とその経緯
- 「蛍の光」がかつて卒業式の定番ソングとして使われていた理由
- 「蛍の光」の歌詞は1番から4番まであるが、卒業式の定番ソングとして1番2番しか使われなかった理由
- 「蛍の光」が現在、閉店時・閉館時のBGMとして使われる理由
蛍の光の歌詞とその意味を探る
- 蛍の光の日本語の歌詞が作られた経緯
- 蛍の光の歌詞 1番から4番まで
- 蛍の光の歌詞の意味 1番から4番まで
蛍の光の日本語の歌詞が作られた経緯
「蛍の光」は、1881年(明治14年)に「小学唱歌集初編」で発表された日本の唱歌で、卒業シーズンに歌われる卒業ソングの定番曲として知られています。
その原曲はスコットランド民謡の「オールド・ラング・ザイン」で、日本語の歌詞は国学者・教育者の稲垣千穎によって書かれました。
稲垣千穎は、原曲の歌詞とは異なる内容で、日本の風景や感情を描いた歌詞を作り上げました。
蛍の光の歌詞 1番から4番まで
「蛍の光」の歌詞は以下の通りです。
【1番】
蛍の光 窓の雪
書(ふみ)読む月日 重ねつつ
何時(いつ)しか年も すぎの戸を
開けてぞ今朝は 別れ行く
【2番】
止まるも行くも 限りとて
互(かたみ)に思ふ 千万(ちよろず)の
心の端(はし)を 一言に
幸(さき)くと許(ばか)り 歌ふなり
【3番】
筑紫(つくし)の極み 陸(みち)の奥
海山遠く 隔(へだ)つとも
その真心は 隔て無く
一つに尽くせ 国の為
【4番】
千島(ちしま)の奥も 沖繩も
八洲(やしま)の内の 護(まも)りなり
至らん国に 勲(いさお)しく
努めよ我が兄(せ) 恙(つつが)無く
蛍の光の歌詞の意味 1番から4番まで
次に「蛍の光」の上の歌詞の意味は以下の通りです。
1番、2番の歌詞の意味は、学生生活の様子と別れの情景
【1番】
蛍の淡い光や 月光の雪明かりを窓から取り入れ
書物を読む日々を重ねていると
いつの間にか年月は過ぎ去っていき
今朝は杉の戸を開け 級友と別れていく
【2番】
故郷に残る者も 去り行く者も
今日限りなので 互いに思い合う無数の想いを
たった一言「幸あれ(どうかご無事で)」と歌うのだ
1番、2番は、学生生活の様子と別れの情景を描いています。
冒頭の「蛍の光 窓の雪」は、自然の光を利用して本を読んだ日々を表しています。
当時の学校には電気が満足になく、学生たちは蛍の光や窓からの月明かりを頼りに勉強していました。
「何時(いつ)しか年も すぎの戸を 開けてぞ今朝は 別れ行く」は、いつの間にか時間が過ぎ、今朝は新たな旅立ちを迎える日が来たという意味です。
そして、「止まるも行くも 限りとて 互(かたみ)に思ふ」は、残る人も進む人も、それぞれが限界まで思いを巡らせる様子を描いています。
3番、4番の歌詞の意味は、戦争に関する内容
以下の3番、4番は、説明をするまでもなく歌詞を読むだけで「戦争に関する内容」であることがわかります。
【3番】
九州の果てでも 東北(陸奥)でも
海や山で遠く隔てられても
真心は隔てられることはなく
ひたすらに力を尽くせ 国のため
【4番】
千島列島の奥も 沖縄も
日本国の護りの要(かなめ)
統治の及ばぬ異国には勇敢に
尽力せよ我が兄弟 無事であれ
蛍の光の歌詞の意味とその使われ方の変遷
- 蛍の光が、卒業式の定番ソングとして使われていた時代
- 蛍の光が、閉園・閉店の曲へと変わっていった理由
蛍の光が、卒業式の定番ソングとして使われていた時代
「蛍の光」は、かつては卒業式の定番ソングとして広く使われていました。
卒業式でこの曲の1番と2番が歌われることで、学生生活の終わりと新たな始まりを感じることができました。
ただ、卒業式では、蛍の光の1番、2番しか使われなかった理由は、
- 前述の通り、3番、4番は、説明をするまでもなく歌詞を読むだけで「戦争に関する内容」であり、
- 卒業式では、1番、2番しか使えなかった
というのが本当の理由です。
蛍の光が、閉園・閉店の曲へと変わっていった理由
しかし、近年では歌詞の内容も時代に沿わず、卒業ソングとして使われることが少なくなりました。
現在、「蛍の光」は遊園地や営業店舗などの閉園・閉館時のBGMとしてよく使われるようになりました。
その理由は、
- この曲が持つ別れの情景が、閉園・閉店時の静寂と相まって、訪れる人々に深い感慨を与える
- この曲が流れることで、訪れる人々はその日の終わりを感じ、次の日への新たな旅立ちを意識する
からでした。
このように、「蛍の光」はその歌詞とメロディーが持つ深い意味から、今でも様々な場面で使われ続けています。
まとめ:蛍の光の歌詞の意味
- 「蛍の光」は1881年に発表された日本の唱歌で、卒業シーズンの定番曲
- 原曲はスコットランド民謡の「オールド・ラング・ザイン」
- 日本語の歌詞は稲垣千穎によって書かれ、原曲とは異なる内容を描いている
- 歌詞の冒頭「蛍の光 窓の雪」は、自然の光を利用して本を読んだ日々を表している
- 「何時(いつ)しか年も すぎの戸を 開けてぞ今朝は 別れ行く」は、新たな旅立ちを迎える日が来たという意味
- 歌詞の3番、4番は、戦争に関する内容であることから、1番、2番までが卒業ソングとして使うようになった
- 現在では閉店時・閉館時のBGMとしてよく用いられている
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